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吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか:大崎洋吉本興業社長が語った9000字 その1 その2

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか:
大崎洋吉本興業社長が語った9000字 その1

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか.GIF

吉本興業がネット動画で攻めている。

Netflixで配信したドラマ『火花』は
世界190カ国で視聴され、
明石家さんま、松本人志、浜田雅功ら
大物芸人が続々とAmazonや
Netflixに活動の場を広げている。

アメリカからやってきた動画配信の
黒船は、制作現場に何をもたらして
いるのだろうか。

大崎洋社長がBusiness Insider Japanに
語った90分。

Business Insider Japan(BI):
NetflixやAmazonで、次々に吉本興業の
動画コンテンツを制作しています。
きっかけは。

大崎洋・吉本興業社長(大崎):
実は、Netflixの人たちとは
1回食事しただけで、Amazonの人とは
会ったことがないんです。

二十数年前、インターネットが
出てきたころだったかな、
新しいメディアの黒船がアメリカから
来るのかな、ひょっとしたら中国からも
赤船が来るんと違うかなと、
ぼやっと思っていました。

その頃から黒船と赤船のへさきの
先頭に立って、こっちこっちと
水先案内をしたら、会社は生き残れる
かもしれないなと。

日本独特のソフトパワーがあるとする
ならば、新しいタレントマネジメントの
方法や、コンテンツマネジメントの
方法があるはずだし、
それを身につければ、
吉本は生き延びられるんじゃないかなと
思っていました。

その時代の“適正配分”みたいなものを、
もう一度「えいや」で考え直して、
外に出る体制をつくれたらと。

国産の(動画を配信するような)
インフラはまだないから、
海外のものに乗っかって、
もう少しソフトパワーを持てば、
適正配分に近くなって対抗できるん
じゃないかなと、ぼやっと思っていました。

僕が考える適正配分とは、
支払われるべきところに、
きちんとお金が落ちること。

インターネットが普及し始めた当初から、
インフラのコストはすごく安くなると
言われていました。

テレビはインフラ整備にかなりの
お金がかかる。

インターネットならそのコストが
ものすごく安くなるというのを
何かで読み、いつか黒船か赤船が
来るんだろうなあと個人的に
思っていました。

うちの副社長のおかもっちゃん
(岡本昭彦副社長)とは、
「おかもっちゃん、
絶対そうなるからな。
ここで踏ん張らないと、
吉本は100年を迎えられへん」と
話してました。

ファミマのアジア進出の時にも「お前行ってこい」

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか1.GIF
吉本興業の大﨑洋社長。「芸人は、
アジアンドリームとして成立する職業」と語る。


BI:吉本興業はテレビ、インターネット、
携帯電話と時代に応じたコンテンツの
売り方を常に考えて来たようにみえます。

大崎:深い考えや、戦術・戦略があった
わけでもなくて、良くも悪くも、いつも、
ちょっとやっとこうかぐらいのことなんです。

任天堂さんがゲーム機に動画の配信をすると
いうニュースを、たまたま新幹線の中で
朝刊で読んで、ガラケーで写メを撮って、
おかもっちゃんに、
「おれ、任天堂の人はだれも知らんけど、
おまえとりあえず行ってこい」と。

ファミリーマートさんがアジアに
進出したときも、記事を携帯で
カシャっと撮って、
「お前、とりあえず行ってこい」と
送り込むみたいなことをずっと
やってきました。

BI:エンタメ、メディア業界以外の
会社の動向も見ているわけですか。

大崎:勝手に、コンビニも一つの
メディアと考えて、吉本として
何かできるかなと。

BI:中国には早くから取り組まれています。

大崎:サラリーマン生活40年くらいで、
27、28年前から回数でいうと500回
くらい中国に行ってるんです。
実績はゼロなんですけど。

日本で仕事をしてるとね、
フジテレビさんに行っても、
社内の同期や先輩や後輩と
(自分の担当している芸人が
番組出演などで)バッティングする。

それがいやでね、終わったら同じ釜の飯を
食う仲間なのに。

テレビの企画部が深夜の司会を
探していることを聞いた時に、
本当なら同期の子に
「フジテレビで探してるよ、
行ったほうがいいんちゃうか」と
言わないかんのですが、
自分だけにしとくみたいなのが、
なんか嫌だなあと思っていて。
誰ともバッティングしない
ところで仕事したほうが健全と
いうか、のびのびとできるん
じゃないかと思って、
アジアに行けばいいのかなと。

BI:東京に事務所がなかった時代から、
新しい市場を開拓する仕事を東京で
続けてこられたことが影響して
いるのでしょうか。


吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか3.GIF
東京・新宿にある東京本部の廊下に立つ大﨑洋社長。
廃校になった小学校の校舎をオフィスにしている。

大崎:当時の吉本興業は大阪だけの
会社で十分やと、劇場で日銭を稼いで、
芸人さんを面倒みながらやったら
ええんやと、東京なんて行かんでも
いいという時代でした。

社内では島流しと言われてね。

東京は連絡事務所の位置付けで、
要するにお前たちは判断するなと。

連絡係だぞと。

大阪のなんば花月やうめだ花月、
京都花月の出番を休んで、
東京のテレビ局に出すのはならん、
あり得ないという時代でした。

カチャカチャにボタンついてるのはすごいなあ

BI:Netflixで配信した『火花』は、
本格的にデジタルコンテンツの動画の
展開をしていくきっかけとなった
作品でしたか。

大崎:その前に、YNNとかいってCNNを
パクった動画を作ったりとか、
ちらちらやってました。

もちろん赤字。本当に小さな小さな
ところから始めたという感じなんです。

BI:『火花』の映像化はたくさんの
オファーがあったのでしょうか。

大崎:岡本くんに聞くと
「いっぱい来てますよ」って。

放送局さんに持っていくと
「じゃあ、うちがつくってやるから、
ギャラいくらくらいほしいの」と
いう感じなんです。

岡本くんと、そりゃつまんないなと
思っていて。

そんな時に、制作費もそれなりに
もらえて、ある程度こちらで
コントロールできて、
もちろんネット技術として
世界に通用するための構成とか
ストーリーテリングとか
ノウハウを全部教えてもらいながら
こちらで作れると。

じゃあ、それが一番いいんかなと。

吉本が地上波のドラマをつくりたいと
言っても、(テレビ局は)来年、
再来年まで制作するドラマは
決まっているとも言われます。

吉本が東京まで来て、
お笑いだけじゃなくドラマ
にも入っていくとなると、
すべての制作会社や
芸能事務所から反感をくらう。

だから、こじ開けようと思わなかったし、
こじ開けられなかったかもしれない。

そういう時に、Netflixの話があった。

BI:それまで、Netflixは見たことが
ありましたか。

大崎:何かで読んで、
「Netflixっていうのはテレビの
カチャカチャ
(編集部注:リモコンのこと)の
ところにボタンがついてるらしいで」って
おかもっちゃんに言って。

おかもっちゃんがどこかの電気屋さんに
行って「本当に付いてましたー」って。
あっそう、すごいなーって。
テレビのカチャカチャについてるってのは、
すごいなあNetflixって。

まあ他人事のように。

制作会社を育てなかったテレビ局の罪

BI:Netflixは、制作費が日本の
テレビ局とはひと桁違うとも言われます。

大崎:そんなことはないです。
ケースバイケースだけれど、
1本につき1500万から2500万円程度。

いい時の地上波のプラスαぐらいかな。

その前に、アメリカのドラマが
1本1億で作るらしいって何かで読んで、
岡本くんに
「アメリカのドラマって1本1億円で
作るらしい、そうすると映画より高いな」
と話してました。

ワールドワイドなネットワークがあるから、
制作費が100億の映画でも1800円の
チケットで世界中に見てもらえる。

そんなシステムをアメリカは持っている。

だから、Netflixにはこっちから
訪ねていったんです。

おかもっちゃんが量販店に行って、
テレビのリモコンに
「ボタン、本当についてました」と
言っていたときに、
「行ってこい行ってこい」って。

BI:『火花』の話の前のことですか。

大崎:前です。ドラマを作りましょうか
みたいな話は、ぼわっとしていました。

Netflixは具体的な数字は教えて
くれないんです。

190カ国で見られています。

(日本のコンテンツも)50%強が
海外で見られてます、
みたいなことは教えてくれるけど、
細かいことはまったく教えてくれません。

ただ、ケースバイケースですけど、
3年後、5年後、10年後に著作権は
吉本に戻ってきて、
配信やマーチャンダイズが
こちらでできるという強みがあります。

日本は制作会社が下請けと
位置付けられているから、
制作会社が育たない。

制作会社を育てていれば、
もっと日本のテレビ業界も
変わったんじゃないですか。

それはアニメもしかり。

いままでは出口がテレビしかなかった
のが原因だと思います。

お笑いも僕もテレビと一緒に
育ってきました。

僕は、テレビは大好きだし、
テレビしか知らない。

でも、功罪相半ばと言うところだと
思います。

映像も製造販売直販で中抜きになる時代

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか2.GIF

BI:Netflixは本来、
吉本にとってライバルなのでは。

大崎:基本的にはそうですね。
本来なら、60年お世話になってる
テレビ局さんと共にあるのが
一番幸せな形です。

それ以上でもそれ以下でもない。

でも、自由にやらせていただくのならば、
ちょっとやってみようかなと。

BI:Netflixでドラマを制作すること
自体が、業界の仕組みに挑戦する
行為にもみえます。


大崎:いいか悪いかは別として、
出口を押さえて、中抜きを飛ばして、
製造販売直販だっていう世の中に
なっていく中で、映像カルチャーも
そうならざるを得ないのは当然の
流れでしょう。

BI:日本のテレビの制作現場の
苦境を感じますか。

大崎:吉本興業は、売上のほとんどが
テレビ局さん。

AD(アシスタント・ディレクター)さんを
3K(編集部注:きつい、汚い、危険。
最近では、帰れない、厳しい、
給与が安い、とも)と言ってた時期が
あったじゃないですか。

テレビで3K、3Kと言っていたら、
そんなところには、いい人材なんてこない。

ADは本来、将来の演出家たちです。

それから、1分ごとに視聴率を測っていて、
だれのトークで上がった下がったという
物差しで、すべての放送局が
番組を制作した。

例えば、ある女優さんを出すと
視聴率が上がるとか。

同じようなものばかりがつくられる
ようになった。

現場の芸能事務所からすると、
今思えば、ADを大事にせず、
分計で視聴率をとったことが、
違っていたんじゃないかと。

資本主義の世の中で株式会社
だから仕方がない面もあるけど、
新聞も発行部数だけで
測っていていいのか、と思うね。

自由と適正配分と市場規模と
インフラコストゼロ

BI:Netflix、Amazonでは作りたいものが
作れていますか。

大崎:制作の自由度が高いこと、
適正配分がなされること、
マーケットの規模が大きいこと、
インフラの費用がかからないこと。

これらが大きいと思う。

BI:表現の自由の幅は違いますか。

大崎:表現する者にとって自由な場と
いうのは大きい。

それは、編集者もライターも、
みんな一緒じゃないですか。

BI:NetflixとAmazonに違いはありますか。

大崎:その辺が良く分かっていないんです。

Amazonの方とはどっかで会ったと
思うんですけど、記憶がないんです。

おかもっちゃんと担当の人たちが
やってくれた。

BI:吉本、例えば松本人志さんが
作る作品は世界で受け入れられると
思いますか。

大崎:それは本当に分からないけれども、
松本と出会った時に、すごい才能が
あるんだなって思って。

笑いって言葉の壁があって、
なかなか受け入れられないけれども、
出ていけるんじゃないかなとは
漠然とは思ってたんです。

松本がどう思ってるかは分からないけどね。

いつか行ってやろうとは思ってましたが、
まさかこんな形でとは思ってなかったし、
Amazonでつくった『ドキュメンタル』の
フォーマットが海外でいま売れそうに
なっている。

例えば、インドのコメディアンが
自由に集まって笑かしあいをするとなったら、
ちょっと見てみたい。

インド人は密室で、
どんな笑かしあいをするんかなあと。

こういう広がり方ってあるんだ
なあと思います。

それをまた、松本とインドの
芸人でやったらどうなるかなとか、
日本とインドの対抗戦をやっても
面白いかもしれない。

中国でも、フランスでも見てみたい。

松本が考えた企画が言葉の壁を越えて、
コンテンツも外へ出ていくように
なるんじゃないかなって思います。

最終更新:10/7(土) 18:57
BUSINESS INSIDER JAPAN10/7(土) 12:10配信



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=1
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=2
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=3
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=4

つづく

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか:
大崎洋吉本興業社長が語った9000字 その2

漫才はアジアン・ドリーム
として成立する職業

BI:日本の小説やドラマが
グローバルなコンテンツとして
受け入れられる、という
見通しがあったのですか。

大崎:『火花』のNetflixのドラマも
実は僕、ちゃんと見てないし、
本当は本も読んでない。

Netflixは、『火花』が190カ国で
見られました、と言うてはりました。

でも、『火花』の主人公の漫才師って
日本にしかない職業。

海外に向けたハウツー本
みたいなものをつくっても
いいかなと思う。

例えば世界に知られている
「マンガ」は紙と鉛筆一本で描ける。

漫才を始めるのは、なにもいらない。

教室のすみっこにいるような、
ハンサムじゃなくても運動神経が
なくてもお金持ちでなくても
偏差値が高くなくてもできる。

アジアン・ドリームとして
成立する職業だと思うんです。

東南アジアに行った時、
若い子が
「日本のポップカルチャーが好きで、
日本語を覚えました。

私たちの国には紛争や戦争があって、
特有のカルチャーがないんです。

今からつくっていきたいから、
日本の人たちに教えて
もらいたいんです」と言っていました。

アジアン・ドリームがかない、
自己実現できる職業があるっていうのは
いいなと思ってるんです。

吉本としてチャレンジできるというのは、
社員にとっても飽きないというか、面白い。

BI:Youtubeを通して、素人という
黒船もきているのかもしれません。

大崎:情報過多だなとは思うけど、
簡単に昭和の歌謡曲もアメリカの
歌も聞ける。

そういう幸せというのもある。
ええ悪いということじゃなくて、
マーケットが決めることかなあと。

東京に出ていく根性もお金も、
そんな才能もないと思いながら、
地方でコントをやってる子もいる。

東京に行かなくても、
吉本に入らなくても、
デビューできるというのは
すごく幸せなこと。

可能性が広がっていくわけですから、
楽しい時代だと思いますね。

『火花』のドラマがアジアや世界中に
流れて、日本に漫才師という
年収10億円が稼げることもある
職業があって、いい学校を
出ていなくても、
ハンサムじゃなくても、
成功できる可能があることを
知らせることができるのは、
幸せなことだと思います。

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか4.GIF
吉本興業の東京のオフィスには、芸人が勢揃いした
大きな記念写真が飾られている。

とりあえず「張る」ために非上場にした

BI:どんなスタイルで、
芸人をマネジメントしているのですか。

大崎:例えば、キングコングの
西野亮廣くんの絵本が売れています。

すごいらしいなって社内で言ったら、
「吉本を辞めたがっていて、
吉本批判もしているんですよね」って
聞いたんです。

「辞められたら困るよな、
頑張りや」ってマネージャーに
言いながら、ずっと気になってました。

俺がいちいち出ていくのもなあと
思いながら、展覧会があるって
聞いたから朝一番で見に行ったら、
たまたま西野くんがいてました。

「すごいな、自分吉本辞めるつもりなん、
みんな言ってるで。大丈夫か」と
話したら、
「そんなんないですよ」と。

西野くんはそんなやつです。

たぶん、僕も西野くんももっと自由で、
信頼関係もあるのだろうと思います。

ダイノジの大地洋輔くんが
エアギターの世界チャンピオンに
なったんです。

記者発表を見に行ったときに、
帰り際にダイノジに会った瞬間に
「思ったより面白くなかったな」って
言ってしまったんです。

「つまらんこと言うてしまったなあ」と、
ずっと気になってまして、
年に何回か思い出していました
。1年経ち、2年経ち、3年経ち、
4年が経ち。

ずっと気になるから謝ろうと思って。

ダイノジの2人と昼飯を予約して、
3人で会ったんです。

そのときに、
「実は謝ろうと思うててん」と
話しました。

ダイノジの大谷ノブ彦くんは、
映画評論やアニソンのDJがすごく
得意だと言うんです。

「大崎社長、知らないでしょ」と
言われて。

そんなふうにがんばってるやつが、
吉本には100人ぐらいいてると。

テレビのゴールデンで、
自分の名前がついた番組を
つくるのが目標であっても、
先輩方でそこはいっぱい。

でも、いろんな形でみんな
がんばっている。

だから、「100人みんな会うわ」と
言って、順番に会ってます。

何が当たるかわからんから、
とりあえず張っておこうかと
いうのはあるんです。

それができるように非上場にした。

外部環境がすごく変わる中で、
何がいいのかだれも分からない。

非上場にしておけば、
数字に追いかけられることなく、
小さいけれど、ほいほい張れる。

BI:当たらないときは、
どこまで我慢されるんですか。

大崎:タレントやマネージャーが
「これ、おもろいんでやりたいです」
と言ったら、おおやっとけやっとけ、
と言って。

その子らが
「ちょっともうダメです」と言ったら、
じゃあやめたらというぐらいのことで。

物差しも何もない。

だって非上場やもん。

技術取り込むための
ベンチャー投資ファンドを設立

BI:あまり細かいことは言わない。

大崎:数字だけでは、わからないからね。

どのメディアが伸びるかなんて、
誰にもわからない。

お笑いタレントのマネージャーなんて、
お笑いのことは分からないですよ。

漫才師がネタをつくってきましたと
いうときに、
「ここをこうしたらええんちゃうか」
と言えるんやったら、
「お前がやれ」という話になるでしょ。

デビュー2年、3年の子でも、
自分でつくりあげていく。

僕が言うことは何もないですよ。
あるとしたら、
「ちゃんと頭下げてや」とか、
文章の構成とか、中学生の作文
みたいなことで言うことはあるけどね。

才能は向こうにあるわけだから、
彼らが面白ければ売れるし、
面白くなければ売れない。

マネージャーは極端な話、
なにも関係がない。

彼らがやりたいと言ってきたら
「それでええんちゃうか」と
いう感じなんです。

音楽のマネージャーなら、
この楽曲がいいとか、詩がいいとか、
いろいろと言うことはある。

でも、お笑いは面白ければ売れるし、
面白くなければ売れない。

だれが見たって同じことなので、
社長の僕がマネージャーをしようが、
新入社員の子がマネージャーを
しようが、関係ない。

だから、芸人の自由にということで。

会社としての決裁権はここまでは
役員でとかそういったことは
あるけれど、基本的に自由に
やっている。

毎日学園祭をやっているような
うちの会社は、いわゆるお役所とか
銀行とは真逆のところにある。

組織として成立してはいかん
ところがある。

組織になって、レポートラインはこうで、
とか言ってしまうと、
「あかん、つぶせつぶせ」と
意識して言わないといけない。

だから、いい加減にしている。

戦略も目標設定も、
なにもないんです。

つくっちゃいかんのです。

BI:あちこちに張っておこうというのは、
会社としての投資も同じ考えなんでしょうか。

大崎:ベンチャーの会社に投資を
しようかと言っても、銀行さんや
証券会社、テレビ局には負けるわけです。

情報の収集力ではかなわない。

会社を非上場にするときに借金を
つくって、ずっと返してますから、
投資する金もない。

いまは配当も払っていないし。

でも、日進月歩の技術を何か
組み込まないといかん。

だから、そろそろベンチャーファンド
みたいなものをつくろうか、
という話をしている。

映像の制作会社もみんな
自転車操業で大変なので、
コンテンツファンドを立ち上げて、
コピーライトを取れるような
仕組みをつくらないと、
適正配分ができない。

どういう仕組みがつくれるのか、
吉本だけでつくれるんならつくる、
できないなら、どこかと
組んでやろうかと。

適正配分という問題は、
例えばレコード会社は新人の
アーティストに投資をしているから、

これだけ多くの取り分を
取るんだと言うかもしれない。

それはそれで正しいんですが、
東京を歩いていると、
大手のレコード会社や出版社は
みんな自社ビルを持っている。

うちらは東京に出てきて20年、
30年経つけど、いまだに
自社ビルじゃない。

新喜劇のけいこが遅くなったら、
1000円の弁当代を800円にせえとか、
そんなことをずっとやっている。

でも向こうは自社ビルだ、
すごいなあと感心するんです。

でもこれは、演者やクリエーターに
とっての適正配分なのか。

新しいメディアが来た時に、
もう一度、適正配分を目指して
チャレンジをしたいなあと
密かには思っているんです。

適正配分できる国産プラットフォームを

BI:ネットも、コンテンツを
つくる人に、お金が回らない
仕組みがあるのかもしれません。

大崎:松本人志が週刊朝日で
連載していた『遺書』が書籍に
なった時に、契約に行くと、
印税は◯◯%ですと言われたんです。

なんやそれと。

出版の仕組みを分かっていないから、
そんなに著者の取り分が低いって
知らなくて、
「もうちょっと何とかなりませんかね」と、
ずっとやり取りをした。

そのとき、司馬遼太郎さんの印税を
聞いたら、それも低かった。

8割とちゃうんや、と笑ってしまった。

「じゃあ、司馬遼太郎さんと
一緒にしてください。
ただし、万が一100万部売れたら
プラスいくら、200万部売れたら
プラスいくら、というふうにして
くれませんか」という交渉をしました。

『ダウンタウンのガキの
使いやあらへんで』の
ビデオを出すというときに、
担当の人と話をすると、
演者の取り分は◯◯%ですと
言うんです。

えんえんと交渉を続けて、
結局2年ぐらいかかって、
◯◯%になって、
また何本売れたらいくら、
という契約をした。

結局10倍ぐらいの取り分になった。

「世の中ってこんな仕組みに
なっとるんやな」と。

だから出版社もレコード会社も
テレビ局も自社ビルがあって、
僕らはいまだに間借りなんやなと。

大人ってこんな仕組みを
つくってるんやなあと。

NetflixやAmazonがやってきた。

これも、適正配分かどうかは分からない。

だから、一番いいのは、
国産のプラットフォームをつくること。

20世紀、映画や音楽ビジネスの
システムをつくり上げた
アメリカに負け、
21世紀にもまたアメリカに負けて、
中国にも負けて。

国産のプラットフォームは
ニコニコ動画とAbemaTVぐらいしかない。

このまま行けば、21世紀はまた、
日本はカルチャー・エンタテイメントで
敗戦になる。

もう遅いんでしょうか。

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか5.GIF

テレビもビデオも本もガラガラポンと
変わる時代です。

だからもう一度、適正配分とは
なにかということをみんなで考えたい。

みんなが幸せに食べていけるように
なる最後のチャンスかもしれない。

そのために、国産のプラットフォームを
持って、世界と戦い、仲良くもしたいなあ。

負け戦かもしれないけれど、
なんとかこの2、3年でもう
一度勝負をかけないといけない。

本当は、NTTさんやKDDIさんや
トヨタ自動車さんがやることかも
しれないけれど、小さな小さな
チャレンジぐらいは、
この2、3年で吉本がしないと
いけないんじゃないかなと。

金はないけど張るふりをして、
NetflixさんやAmazonさんと一緒にやる。

相手を知らないと勝てませんから。

でもね、いよいよ勝てないと
分かったら、こう言おうと思うんです。

「昔から友達やったやん」

----------------------------------
大崎洋(おおさき・ひろし)
1953年生まれ、大阪府堺市出身。

関西大学を卒業し、1978年4月に
吉本興業に入社。
お笑い芸人のマネージャーや、
吉本興業の劇場を担当した後、
東京の事務所などに勤務。

ダウンタウンの全国的なブレイクに
大きな役割を果たした。

2009年4月に吉本興業の社長に就任した。

(取材と文:小島寛明、浜田敬子)

BUSINESS INSIDER JAPAN10/7(土) 12:10配信

最終更新:10/7(土) 18:57

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=5
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=6
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=7
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=8

このお話は、吉本興業だけの問題ではありません。
個人や小さな企業も巨大なAmazonを
いかに利用して生き残るかを
考えて頂きたいです。




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吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか:大崎洋吉本興業社長が語った9000字 その1 その2 [吉本はなぜNetflix Amazonと組んだの]

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか:
大崎洋吉本興業社長が語った9000字 その1

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか.GIF

吉本興業がネット動画で攻めている。

Netflixで配信したドラマ『火花』は
世界190カ国で視聴され、
明石家さんま、松本人志、浜田雅功ら
大物芸人が続々とAmazonや
Netflixに活動の場を広げている。

アメリカからやってきた動画配信の
黒船は、制作現場に何をもたらして
いるのだろうか。

大崎洋社長がBusiness Insider Japanに
語った90分。

Business Insider Japan(BI):
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動画コンテンツを制作しています。
きっかけは。

大崎洋・吉本興業社長(大崎):
実は、Netflixの人たちとは
1回食事しただけで、Amazonの人とは
会ったことがないんです。

二十数年前、インターネットが
出てきたころだったかな、
新しいメディアの黒船がアメリカから
来るのかな、ひょっとしたら中国からも
赤船が来るんと違うかなと、
ぼやっと思っていました。

その頃から黒船と赤船のへさきの
先頭に立って、こっちこっちと
水先案内をしたら、会社は生き残れる
かもしれないなと。

日本独特のソフトパワーがあるとする
ならば、新しいタレントマネジメントの
方法や、コンテンツマネジメントの
方法があるはずだし、
それを身につければ、
吉本は生き延びられるんじゃないかなと
思っていました。

その時代の“適正配分”みたいなものを、
もう一度「えいや」で考え直して、
外に出る体制をつくれたらと。

国産の(動画を配信するような)
インフラはまだないから、
海外のものに乗っかって、
もう少しソフトパワーを持てば、
適正配分に近くなって対抗できるん
じゃないかなと、ぼやっと思っていました。

僕が考える適正配分とは、
支払われるべきところに、
きちんとお金が落ちること。

インターネットが普及し始めた当初から、
インフラのコストはすごく安くなると
言われていました。

テレビはインフラ整備にかなりの
お金がかかる。

インターネットならそのコストが
ものすごく安くなるというのを
何かで読み、いつか黒船か赤船が
来るんだろうなあと個人的に
思っていました。

うちの副社長のおかもっちゃん
(岡本昭彦副社長)とは、
「おかもっちゃん、
絶対そうなるからな。
ここで踏ん張らないと、
吉本は100年を迎えられへん」と
話してました。

ファミマのアジア進出の時にも「お前行ってこい」

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか1.GIF
吉本興業の大﨑洋社長。「芸人は、
アジアンドリームとして成立する職業」と語る。


BI:吉本興業はテレビ、インターネット、
携帯電話と時代に応じたコンテンツの
売り方を常に考えて来たようにみえます。

大崎:深い考えや、戦術・戦略があった
わけでもなくて、良くも悪くも、いつも、
ちょっとやっとこうかぐらいのことなんです。

任天堂さんがゲーム機に動画の配信をすると
いうニュースを、たまたま新幹線の中で
朝刊で読んで、ガラケーで写メを撮って、
おかもっちゃんに、
「おれ、任天堂の人はだれも知らんけど、
おまえとりあえず行ってこい」と。

ファミリーマートさんがアジアに
進出したときも、記事を携帯で
カシャっと撮って、
「お前、とりあえず行ってこい」と
送り込むみたいなことをずっと
やってきました。

BI:エンタメ、メディア業界以外の
会社の動向も見ているわけですか。

大崎:勝手に、コンビニも一つの
メディアと考えて、吉本として
何かできるかなと。

BI:中国には早くから取り組まれています。

大崎:サラリーマン生活40年くらいで、
27、28年前から回数でいうと500回
くらい中国に行ってるんです。
実績はゼロなんですけど。

日本で仕事をしてるとね、
フジテレビさんに行っても、
社内の同期や先輩や後輩と
(自分の担当している芸人が
番組出演などで)バッティングする。

それがいやでね、終わったら同じ釜の飯を
食う仲間なのに。

テレビの企画部が深夜の司会を
探していることを聞いた時に、
本当なら同期の子に
「フジテレビで探してるよ、
行ったほうがいいんちゃうか」と
言わないかんのですが、
自分だけにしとくみたいなのが、
なんか嫌だなあと思っていて。
誰ともバッティングしない
ところで仕事したほうが健全と
いうか、のびのびとできるん
じゃないかと思って、
アジアに行けばいいのかなと。

BI:東京に事務所がなかった時代から、
新しい市場を開拓する仕事を東京で
続けてこられたことが影響して
いるのでしょうか。


吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか3.GIF
東京・新宿にある東京本部の廊下に立つ大﨑洋社長。
廃校になった小学校の校舎をオフィスにしている。

大崎:当時の吉本興業は大阪だけの
会社で十分やと、劇場で日銭を稼いで、
芸人さんを面倒みながらやったら
ええんやと、東京なんて行かんでも
いいという時代でした。

社内では島流しと言われてね。

東京は連絡事務所の位置付けで、
要するにお前たちは判断するなと。

連絡係だぞと。

大阪のなんば花月やうめだ花月、
京都花月の出番を休んで、
東京のテレビ局に出すのはならん、
あり得ないという時代でした。

カチャカチャにボタンついてるのはすごいなあ

BI:Netflixで配信した『火花』は、
本格的にデジタルコンテンツの動画の
展開をしていくきっかけとなった
作品でしたか。

大崎:その前に、YNNとかいってCNNを
パクった動画を作ったりとか、
ちらちらやってました。

もちろん赤字。本当に小さな小さな
ところから始めたという感じなんです。

BI:『火花』の映像化はたくさんの
オファーがあったのでしょうか。

大崎:岡本くんに聞くと
「いっぱい来てますよ」って。

放送局さんに持っていくと
「じゃあ、うちがつくってやるから、
ギャラいくらくらいほしいの」と
いう感じなんです。

岡本くんと、そりゃつまんないなと
思っていて。

そんな時に、制作費もそれなりに
もらえて、ある程度こちらで
コントロールできて、
もちろんネット技術として
世界に通用するための構成とか
ストーリーテリングとか
ノウハウを全部教えてもらいながら
こちらで作れると。

じゃあ、それが一番いいんかなと。

吉本が地上波のドラマをつくりたいと
言っても、(テレビ局は)来年、
再来年まで制作するドラマは
決まっているとも言われます。

吉本が東京まで来て、
お笑いだけじゃなくドラマ
にも入っていくとなると、
すべての制作会社や
芸能事務所から反感をくらう。

だから、こじ開けようと思わなかったし、
こじ開けられなかったかもしれない。

そういう時に、Netflixの話があった。

BI:それまで、Netflixは見たことが
ありましたか。

大崎:何かで読んで、
「Netflixっていうのはテレビの
カチャカチャ
(編集部注:リモコンのこと)の
ところにボタンがついてるらしいで」って
おかもっちゃんに言って。

おかもっちゃんがどこかの電気屋さんに
行って「本当に付いてましたー」って。
あっそう、すごいなーって。
テレビのカチャカチャについてるってのは、
すごいなあNetflixって。

まあ他人事のように。

制作会社を育てなかったテレビ局の罪

BI:Netflixは、制作費が日本の
テレビ局とはひと桁違うとも言われます。

大崎:そんなことはないです。
ケースバイケースだけれど、
1本につき1500万から2500万円程度。

いい時の地上波のプラスαぐらいかな。

その前に、アメリカのドラマが
1本1億で作るらしいって何かで読んで、
岡本くんに
「アメリカのドラマって1本1億円で
作るらしい、そうすると映画より高いな」
と話してました。

ワールドワイドなネットワークがあるから、
制作費が100億の映画でも1800円の
チケットで世界中に見てもらえる。

そんなシステムをアメリカは持っている。

だから、Netflixにはこっちから
訪ねていったんです。

おかもっちゃんが量販店に行って、
テレビのリモコンに
「ボタン、本当についてました」と
言っていたときに、
「行ってこい行ってこい」って。

BI:『火花』の話の前のことですか。

大崎:前です。ドラマを作りましょうか
みたいな話は、ぼわっとしていました。

Netflixは具体的な数字は教えて
くれないんです。

190カ国で見られています。

(日本のコンテンツも)50%強が
海外で見られてます、
みたいなことは教えてくれるけど、
細かいことはまったく教えてくれません。

ただ、ケースバイケースですけど、
3年後、5年後、10年後に著作権は
吉本に戻ってきて、
配信やマーチャンダイズが
こちらでできるという強みがあります。

日本は制作会社が下請けと
位置付けられているから、
制作会社が育たない。

制作会社を育てていれば、
もっと日本のテレビ業界も
変わったんじゃないですか。

それはアニメもしかり。

いままでは出口がテレビしかなかった
のが原因だと思います。

お笑いも僕もテレビと一緒に
育ってきました。

僕は、テレビは大好きだし、
テレビしか知らない。

でも、功罪相半ばと言うところだと
思います。

映像も製造販売直販で中抜きになる時代

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか2.GIF

BI:Netflixは本来、
吉本にとってライバルなのでは。

大崎:基本的にはそうですね。
本来なら、60年お世話になってる
テレビ局さんと共にあるのが
一番幸せな形です。

それ以上でもそれ以下でもない。

でも、自由にやらせていただくのならば、
ちょっとやってみようかなと。

BI:Netflixでドラマを制作すること
自体が、業界の仕組みに挑戦する
行為にもみえます。


大崎:いいか悪いかは別として、
出口を押さえて、中抜きを飛ばして、
製造販売直販だっていう世の中に
なっていく中で、映像カルチャーも
そうならざるを得ないのは当然の
流れでしょう。

BI:日本のテレビの制作現場の
苦境を感じますか。

大崎:吉本興業は、売上のほとんどが
テレビ局さん。

AD(アシスタント・ディレクター)さんを
3K(編集部注:きつい、汚い、危険。
最近では、帰れない、厳しい、
給与が安い、とも)と言ってた時期が
あったじゃないですか。

テレビで3K、3Kと言っていたら、
そんなところには、いい人材なんてこない。

ADは本来、将来の演出家たちです。

それから、1分ごとに視聴率を測っていて、
だれのトークで上がった下がったという
物差しで、すべての放送局が
番組を制作した。

例えば、ある女優さんを出すと
視聴率が上がるとか。

同じようなものばかりがつくられる
ようになった。

現場の芸能事務所からすると、
今思えば、ADを大事にせず、
分計で視聴率をとったことが、
違っていたんじゃないかと。

資本主義の世の中で株式会社
だから仕方がない面もあるけど、
新聞も発行部数だけで
測っていていいのか、と思うね。

自由と適正配分と市場規模と
インフラコストゼロ

BI:Netflix、Amazonでは作りたいものが
作れていますか。

大崎:制作の自由度が高いこと、
適正配分がなされること、
マーケットの規模が大きいこと、
インフラの費用がかからないこと。

これらが大きいと思う。

BI:表現の自由の幅は違いますか。

大崎:表現する者にとって自由な場と
いうのは大きい。

それは、編集者もライターも、
みんな一緒じゃないですか。

BI:NetflixとAmazonに違いはありますか。

大崎:その辺が良く分かっていないんです。

Amazonの方とはどっかで会ったと
思うんですけど、記憶がないんです。

おかもっちゃんと担当の人たちが
やってくれた。

BI:吉本、例えば松本人志さんが
作る作品は世界で受け入れられると
思いますか。

大崎:それは本当に分からないけれども、
松本と出会った時に、すごい才能が
あるんだなって思って。

笑いって言葉の壁があって、
なかなか受け入れられないけれども、
出ていけるんじゃないかなとは
漠然とは思ってたんです。

松本がどう思ってるかは分からないけどね。

いつか行ってやろうとは思ってましたが、
まさかこんな形でとは思ってなかったし、
Amazonでつくった『ドキュメンタル』の
フォーマットが海外でいま売れそうに
なっている。

例えば、インドのコメディアンが
自由に集まって笑かしあいをするとなったら、
ちょっと見てみたい。

インド人は密室で、
どんな笑かしあいをするんかなあと。

こういう広がり方ってあるんだ
なあと思います。

それをまた、松本とインドの
芸人でやったらどうなるかなとか、
日本とインドの対抗戦をやっても
面白いかもしれない。

中国でも、フランスでも見てみたい。

松本が考えた企画が言葉の壁を越えて、
コンテンツも外へ出ていくように
なるんじゃないかなって思います。

最終更新:10/7(土) 18:57
BUSINESS INSIDER JAPAN10/7(土) 12:10配信



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=1
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=3
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=4

つづく

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか:
大崎洋吉本興業社長が語った9000字 その2

漫才はアジアン・ドリーム
として成立する職業

BI:日本の小説やドラマが
グローバルなコンテンツとして
受け入れられる、という
見通しがあったのですか。

大崎:『火花』のNetflixのドラマも
実は僕、ちゃんと見てないし、
本当は本も読んでない。

Netflixは、『火花』が190カ国で
見られました、と言うてはりました。

でも、『火花』の主人公の漫才師って
日本にしかない職業。

海外に向けたハウツー本
みたいなものをつくっても
いいかなと思う。

例えば世界に知られている
「マンガ」は紙と鉛筆一本で描ける。

漫才を始めるのは、なにもいらない。

教室のすみっこにいるような、
ハンサムじゃなくても運動神経が
なくてもお金持ちでなくても
偏差値が高くなくてもできる。

アジアン・ドリームとして
成立する職業だと思うんです。

東南アジアに行った時、
若い子が
「日本のポップカルチャーが好きで、
日本語を覚えました。

私たちの国には紛争や戦争があって、
特有のカルチャーがないんです。

今からつくっていきたいから、
日本の人たちに教えて
もらいたいんです」と言っていました。

アジアン・ドリームがかない、
自己実現できる職業があるっていうのは
いいなと思ってるんです。

吉本としてチャレンジできるというのは、
社員にとっても飽きないというか、面白い。

BI:Youtubeを通して、素人という
黒船もきているのかもしれません。

大崎:情報過多だなとは思うけど、
簡単に昭和の歌謡曲もアメリカの
歌も聞ける。

そういう幸せというのもある。
ええ悪いということじゃなくて、
マーケットが決めることかなあと。

東京に出ていく根性もお金も、
そんな才能もないと思いながら、
地方でコントをやってる子もいる。

東京に行かなくても、
吉本に入らなくても、
デビューできるというのは
すごく幸せなこと。

可能性が広がっていくわけですから、
楽しい時代だと思いますね。

『火花』のドラマがアジアや世界中に
流れて、日本に漫才師という
年収10億円が稼げることもある
職業があって、いい学校を
出ていなくても、
ハンサムじゃなくても、
成功できる可能があることを
知らせることができるのは、
幸せなことだと思います。

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか4.GIF
吉本興業の東京のオフィスには、芸人が勢揃いした
大きな記念写真が飾られている。

とりあえず「張る」ために非上場にした

BI:どんなスタイルで、
芸人をマネジメントしているのですか。

大崎:例えば、キングコングの
西野亮廣くんの絵本が売れています。

すごいらしいなって社内で言ったら、
「吉本を辞めたがっていて、
吉本批判もしているんですよね」って
聞いたんです。

「辞められたら困るよな、
頑張りや」ってマネージャーに
言いながら、ずっと気になってました。

俺がいちいち出ていくのもなあと
思いながら、展覧会があるって
聞いたから朝一番で見に行ったら、
たまたま西野くんがいてました。

「すごいな、自分吉本辞めるつもりなん、
みんな言ってるで。大丈夫か」と
話したら、
「そんなんないですよ」と。

西野くんはそんなやつです。

たぶん、僕も西野くんももっと自由で、
信頼関係もあるのだろうと思います。

ダイノジの大地洋輔くんが
エアギターの世界チャンピオンに
なったんです。

記者発表を見に行ったときに、
帰り際にダイノジに会った瞬間に
「思ったより面白くなかったな」って
言ってしまったんです。

「つまらんこと言うてしまったなあ」と、
ずっと気になってまして、
年に何回か思い出していました
。1年経ち、2年経ち、3年経ち、
4年が経ち。

ずっと気になるから謝ろうと思って。

ダイノジの2人と昼飯を予約して、
3人で会ったんです。

そのときに、
「実は謝ろうと思うててん」と
話しました。

ダイノジの大谷ノブ彦くんは、
映画評論やアニソンのDJがすごく
得意だと言うんです。

「大崎社長、知らないでしょ」と
言われて。

そんなふうにがんばってるやつが、
吉本には100人ぐらいいてると。

テレビのゴールデンで、
自分の名前がついた番組を
つくるのが目標であっても、
先輩方でそこはいっぱい。

でも、いろんな形でみんな
がんばっている。

だから、「100人みんな会うわ」と
言って、順番に会ってます。

何が当たるかわからんから、
とりあえず張っておこうかと
いうのはあるんです。

それができるように非上場にした。

外部環境がすごく変わる中で、
何がいいのかだれも分からない。

非上場にしておけば、
数字に追いかけられることなく、
小さいけれど、ほいほい張れる。

BI:当たらないときは、
どこまで我慢されるんですか。

大崎:タレントやマネージャーが
「これ、おもろいんでやりたいです」
と言ったら、おおやっとけやっとけ、
と言って。

その子らが
「ちょっともうダメです」と言ったら、
じゃあやめたらというぐらいのことで。

物差しも何もない。

だって非上場やもん。

技術取り込むための
ベンチャー投資ファンドを設立

BI:あまり細かいことは言わない。

大崎:数字だけでは、わからないからね。

どのメディアが伸びるかなんて、
誰にもわからない。

お笑いタレントのマネージャーなんて、
お笑いのことは分からないですよ。

漫才師がネタをつくってきましたと
いうときに、
「ここをこうしたらええんちゃうか」
と言えるんやったら、
「お前がやれ」という話になるでしょ。

デビュー2年、3年の子でも、
自分でつくりあげていく。

僕が言うことは何もないですよ。
あるとしたら、
「ちゃんと頭下げてや」とか、
文章の構成とか、中学生の作文
みたいなことで言うことはあるけどね。

才能は向こうにあるわけだから、
彼らが面白ければ売れるし、
面白くなければ売れない。

マネージャーは極端な話、
なにも関係がない。

彼らがやりたいと言ってきたら
「それでええんちゃうか」と
いう感じなんです。

音楽のマネージャーなら、
この楽曲がいいとか、詩がいいとか、
いろいろと言うことはある。

でも、お笑いは面白ければ売れるし、
面白くなければ売れない。

だれが見たって同じことなので、
社長の僕がマネージャーをしようが、
新入社員の子がマネージャーを
しようが、関係ない。

だから、芸人の自由にということで。

会社としての決裁権はここまでは
役員でとかそういったことは
あるけれど、基本的に自由に
やっている。

毎日学園祭をやっているような
うちの会社は、いわゆるお役所とか
銀行とは真逆のところにある。

組織として成立してはいかん
ところがある。

組織になって、レポートラインはこうで、
とか言ってしまうと、
「あかん、つぶせつぶせ」と
意識して言わないといけない。

だから、いい加減にしている。

戦略も目標設定も、
なにもないんです。

つくっちゃいかんのです。

BI:あちこちに張っておこうというのは、
会社としての投資も同じ考えなんでしょうか。

大崎:ベンチャーの会社に投資を
しようかと言っても、銀行さんや
証券会社、テレビ局には負けるわけです。

情報の収集力ではかなわない。

会社を非上場にするときに借金を
つくって、ずっと返してますから、
投資する金もない。

いまは配当も払っていないし。

でも、日進月歩の技術を何か
組み込まないといかん。

だから、そろそろベンチャーファンド
みたいなものをつくろうか、
という話をしている。

映像の制作会社もみんな
自転車操業で大変なので、
コンテンツファンドを立ち上げて、
コピーライトを取れるような
仕組みをつくらないと、
適正配分ができない。

どういう仕組みがつくれるのか、
吉本だけでつくれるんならつくる、
できないなら、どこかと
組んでやろうかと。

適正配分という問題は、
例えばレコード会社は新人の
アーティストに投資をしているから、

これだけ多くの取り分を
取るんだと言うかもしれない。

それはそれで正しいんですが、
東京を歩いていると、
大手のレコード会社や出版社は
みんな自社ビルを持っている。

うちらは東京に出てきて20年、
30年経つけど、いまだに
自社ビルじゃない。

新喜劇のけいこが遅くなったら、
1000円の弁当代を800円にせえとか、
そんなことをずっとやっている。

でも向こうは自社ビルだ、
すごいなあと感心するんです。

でもこれは、演者やクリエーターに
とっての適正配分なのか。

新しいメディアが来た時に、
もう一度、適正配分を目指して
チャレンジをしたいなあと
密かには思っているんです。

適正配分できる国産プラットフォームを

BI:ネットも、コンテンツを
つくる人に、お金が回らない
仕組みがあるのかもしれません。

大崎:松本人志が週刊朝日で
連載していた『遺書』が書籍に
なった時に、契約に行くと、
印税は◯◯%ですと言われたんです。

なんやそれと。

出版の仕組みを分かっていないから、
そんなに著者の取り分が低いって
知らなくて、
「もうちょっと何とかなりませんかね」と、
ずっとやり取りをした。

そのとき、司馬遼太郎さんの印税を
聞いたら、それも低かった。

8割とちゃうんや、と笑ってしまった。

「じゃあ、司馬遼太郎さんと
一緒にしてください。
ただし、万が一100万部売れたら
プラスいくら、200万部売れたら
プラスいくら、というふうにして
くれませんか」という交渉をしました。

『ダウンタウンのガキの
使いやあらへんで』の
ビデオを出すというときに、
担当の人と話をすると、
演者の取り分は◯◯%ですと
言うんです。

えんえんと交渉を続けて、
結局2年ぐらいかかって、
◯◯%になって、
また何本売れたらいくら、
という契約をした。

結局10倍ぐらいの取り分になった。

「世の中ってこんな仕組みに
なっとるんやな」と。

だから出版社もレコード会社も
テレビ局も自社ビルがあって、
僕らはいまだに間借りなんやなと。

大人ってこんな仕組みを
つくってるんやなあと。

NetflixやAmazonがやってきた。

これも、適正配分かどうかは分からない。

だから、一番いいのは、
国産のプラットフォームをつくること。

20世紀、映画や音楽ビジネスの
システムをつくり上げた
アメリカに負け、
21世紀にもまたアメリカに負けて、
中国にも負けて。

国産のプラットフォームは
ニコニコ動画とAbemaTVぐらいしかない。

このまま行けば、21世紀はまた、
日本はカルチャー・エンタテイメントで
敗戦になる。

もう遅いんでしょうか。

吉本はなぜNetflix、Amazonと組んだのか5.GIF

テレビもビデオも本もガラガラポンと
変わる時代です。

だからもう一度、適正配分とは
なにかということをみんなで考えたい。

みんなが幸せに食べていけるように
なる最後のチャンスかもしれない。

そのために、国産のプラットフォームを
持って、世界と戦い、仲良くもしたいなあ。

負け戦かもしれないけれど、
なんとかこの2、3年でもう
一度勝負をかけないといけない。

本当は、NTTさんやKDDIさんや
トヨタ自動車さんがやることかも
しれないけれど、小さな小さな
チャレンジぐらいは、
この2、3年で吉本がしないと
いけないんじゃないかなと。

金はないけど張るふりをして、
NetflixさんやAmazonさんと一緒にやる。

相手を知らないと勝てませんから。

でもね、いよいよ勝てないと
分かったら、こう言おうと思うんです。

「昔から友達やったやん」

----------------------------------
大崎洋(おおさき・ひろし)
1953年生まれ、大阪府堺市出身。

関西大学を卒業し、1978年4月に
吉本興業に入社。
お笑い芸人のマネージャーや、
吉本興業の劇場を担当した後、
東京の事務所などに勤務。

ダウンタウンの全国的なブレイクに
大きな役割を果たした。

2009年4月に吉本興業の社長に就任した。

(取材と文:小島寛明、浜田敬子)

BUSINESS INSIDER JAPAN10/7(土) 12:10配信

最終更新:10/7(土) 18:57

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=6
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=7
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171007-00010002-binsider-sci&p=8

このお話は、吉本興業だけの問題ではありません。
個人や小さな企業も巨大なAmazonを
いかに利用して生き残るかを
考えて頂きたいです。




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